始発電車に乗り、清澄白河駅で降りた。まっすぐ綺麗な直線に伸びて誰もいない道路、遠くで聞こえるエンジン音、街の鳥たちのさえずり、ほんの一瞬前まで氷だったように澄んだ空気、ビルの隙間から見える紫色の薄い雲、握っていた部屋の鍵を歯で咥えて、両手を自由にして、胸いっぱいの深呼吸しておいた。身体から毒が抜けて漂白された。まだ滞在して間もないが、この街が好きだなと思った。ここ数日は、自分の情緒の揺れを感じてしまうようになってきている。その時々で考えてることがバラバラになってしまう感覚、自分の感情や意思決定に一貫性がなくなる感覚。ずっと同じ問題の上で足踏みをしている。なんでこんなにふみふみする必要があるのかな。ふみふみしなくてもよい問題でこうもふみふみ。ふみふみに割く思考の処理スペースがもったいない。ふみふみ。足音がすごくうるさい。