今日は友達に素敵な大人を紹介してもらった。香りの尖った赤ワインと霜降りのステーキがとても美味しかった。デザートのアフォガードのエスプレッソもコクがあって美味しかった。今日は彼の話を書こうと思う。元々私は顔が広くても心を許せる友人は少ない方で、その中でも彼は大学に入ってからできた唯一無二の親友だ。

 初めて彼に会った、というか話した時はビデオチャットだった。初対面にも関わらず最終的には、彼の恋愛相談にのっていた。他には、国内の国立大学に入学する前というのに、海外の大学に行きたいよねという話で盛り上がった気がする。私は、RCA(Royal College of Art: RCAはロンドンにある国立の美術大学で、世界で唯一、修士号と博士号を授与する美術系大学院大学)に興味を持っていると話した。彼はMITについて(私はなんとその時MITが何か全く知らなかった。本当に無知で狭い世界を生きた高校生だった)教えてくれた。今でも彼は私が「RCAを知っていてMITを知らなかった」ことをネタにしてくる。自分が興味を持っていることについてしか、知らなかったし、そもそもあの時の私は、知るすべを知らなかった。今はその時と比べるとかなり物知りになった。

 おそらくはじめはお互いにお互いのことを面白がった目で見ていた。二人とも本気で議論して、ぶつかり合って、傷だらけになる(これは私だけかもしれない)ようなことが好きだったからよくそういう遊びをしていた。バカなこともたくさんしたし、納得いかなくて嫌いになった時もあった。気付いた時にはなんでも、本当になんでも相談するようになっていた。大学内外でいろんな勉強や経験を経て変わりゆく私の価値観や変わらない部分をいつも横で眺めていて何かと助言だったり邪魔だったりしてくれる。私にとってRPGセーブポイントみたいな人かもしれないと思ったがそんな私にとってちょっと良さげなものにするのは気持ち悪い。概念としては、どちらかというとポケモンで定期的にバトルを申し込んでくるライバルのような存在かもしれない。もっとも同じ土俵で戦ったことはないが。

 彼は私が何をしても許してくれるし、何をしてもそのままでいてくれると思う。私の人生の意思決定で私に対する評価を左右させないと思う。そういう家族みたいな関係性になれて本当に良かったと思っている。

 もっと彼について、面白い話はたくさんあるのだが、眠くてよく思い出せない。今の段階で思い出せるのは、彼は27歳の人間全般が好きなことと、私と同じように身体とメンタルが弱いこと。素敵な奥さんと可愛い息子がいること、チームで仕事をする時の役割でいうと、三権分立でいう立法的な人(最近は日本の天皇のような象徴に近いらしい)。いつになるかわからないが、また改めて書こうと思う。