水辺に栄えた街だった。人々は水と共に生きていた。船を使って岸を移動し、魚を取って食べ、穏やかに過ごしていた。人々は生活のほとんどを水辺と、水辺の周りの自然の中で過ごした。穏やかで豊かな日々だった。しかし、ある時から、天候が荒れ、強い渦の流れと高い波を持つようになり、昔の水辺とは比べ物にならないくらい底も深くなった。水中で亡くなるものが増えた。幼い子供は水辺に近ずくことを禁じられた。すぐに船や水辺での生活が難しくなり、人々は悩んだ末、大きく丈夫な橋をかけることにした。溺れる心配をせずに安心して向こう側の岸に渡れるようにと、人々はこの計画に賛成だった。橋がかかってもなお、水辺は荒れ続けた。以前のような水と共にある豊かな暮らしはできなくなったが、早くものを運べ、移動ができ、生活は便利になった。魚も取るのが楽になった。それでも数ヶ月に一度誤って水辺に近ずいたものが水辺に落ち死亡する悲劇が起こっていた。人々は水辺から離れたところに生活の拠点を移そうと新しい計画を立て始めていた。