強さ、人としての素晴らしさ、能力の高さ、優秀さ、価値、凄さ、承認、賞賛、評価。強いということについて、考えていた。これまでは簡単だった。一番になったり、選ばれたり、強いものの象徴の学歴や経歴など何かのレッテルさえあればそれでよかった。私はこれまでいくつかの素晴らしい鮮やかな強さを手に入れることができた。それ自体はとても素敵で気に入ってるが、強さを得るこの簡単なゲームを淡々といくつかこなす中で、生まれた時から強さ、そして強さを手に入れるべくして手に入れる環境にいる人がいることを知った。自分がどれだけ足掻いても、到底到達できないようなところにいたみたいだし、到底自分にそんな努力は可能ではなくて、彼らの強さに比べたら自分が自らの手で手に入れた強さは、星屑とかカケラとかそういう小さくてトゲトゲしたものだった。もう一つ、強さを得ることが必ずしも幸せと一致しないと気づいてしまった。これは強さで他人を見ることを諦めてから気づいた。自分が自分であることを認めたかった、自己表現の先にある自分自身による承認欲求があって、それが満たされていないことが苦しくて苦しくて、ずっと喉が渇いていた。強くありたいよりも今はユニークでありたい。今ユニークさが不足していると感じる、私がこの状態でこれ以上強くなることは、誰かの何かに最適かするということで、そちら側に走ってしまえば、私はきっと自分らしさを失ってしまうことになりそうだ。